二科展

[ T.Asaka]



暑かった夏もいつの間にか過ぎ、朝夕は何となく秋の訪れを感じる季節になった。とは云っても、まだ空を見れば夏の雲と秋の雲が交差して強い日差しが上野公園一面に照り返している。このような空を行き会いの空と呼ぶのだろう。

恒例の二週間に亘る今年の二科展も今日(16日)最終日を迎えた。

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大正3年に洋画部門として二科会の発足以来、今年の開催で91回を数える。

戦後は東郷青児を中心に大きく発展した。古くは藤田嗣治や国吉康雄、近年から現代にかけても長老の織田広喜、鶴岡義雄、吉井淳二、東郷青児の主義、画風を受け継いだ安食一雄、そして裸婦の巨匠・小川以久男・・・さらに東郷たまみ、そして異色の三保ヶ関、松任谷国子、工藤静香、・・・など。

当時、東郷青児の画は甘美で哀愁感のある女性像を描き大衆の人気を高め、あの有名な自由が丘の洋菓子店の「モンブラン」の包装紙のデザインにも使われた。ここに安食一雄と東郷青児の画を掲げよう。

加藤君子・・・資生堂東京北販社を退社後・・・小川以久男先生に師事し23年間二科展に入選。持ち前のセンスと天分に美容の世界で培われた美的感性を生かし、女性らしい独特の画法で才能を発揮した。

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井原元正・・・世田谷の経堂の家の近所に住んでいた二科の会員で、私も幼少の頃、この先生に画を習っていた時代があった。ものにはならなかったが、少しは画に対する感性は養われたような気がする。これは先生の戦争直後の昭和21年第31回二科展に出品された画だ。大の猫好きで黒猫を飼って可愛がっておられた記憶がある。この画にも三匹の猫が登場している。

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高山節子・・・久喜の市会議員・そして我社チェインストアの高山薬局の社長・高山薫の長女。玉川学園卒業で絵画の世界に入り東郷青児に師事、ドイツへ留学、そしてドイツ人のカーリーンという方と結婚、しかし不幸にしてご主人を亡くし、近々日本に戻ってくる。毎年、無審査の二科の会友として二科展に出品。淡い色彩を基調にしたメルヘン調の花の画が多いが、本人に言わせると風景画の方が好きだ・・・という。私に戴いたこの画も「白樺の林の中に」・・・軽井沢の森の詩。

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渡辺英明・・・資生堂の先輩、東京北販社で先述した加藤君子さん達と同時代の同じ日暮里の職場で働いた方。定年後彫刻の分野で活動し毎年二科展の入賞を勝ち得ての出品。この作品は平成11年の第84回の出品作品。渡辺さんは芸術さん兄弟で音楽、絵画、そして本人の彫刻・・・楽しそうな人生。


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二科展は長く続いた上野の森を今日で最後に来年から六本木に移る。新しく斬新的な美術館で、また今までと違った雰囲気の二科展が新たに始まるだろう。


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by sazae322te | 2006-09-18 19:34
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